何をやって仕事とするか

Gerd AltmannによるPixabayからの画像 7.起業

起業! と叫んでみても、資本金の目標額に大きく足らない現在では、どんな内容も夢物語に聞こえてしまう。
ただ、ばくぜんと起業だけを目標にしても、意味がない。いちばん大切なのは、何を仕事とするか。何をして儲けるのか、ということだ。
いずれは起業に際し、事業計画書の草案を練ることになる。これには、ふわふわした夢物語を書いてお茶をにごすわけにはいかない。ので、今ここにしか、その「ふわふわした夢物語」を書く場はないのではないか、と思い、思い切って書いてみることにした。

仕事のネタ。内容。
それは、最終的には、「飲食のオーナー業」ということになると思う。
しかしそれには障害がある。
私は、これまで、飲食業に関わってきた経験が「ない」

……『はい、解散!』
そんな声が聞こえてきそうだ。
ただそれでも、道筋をつくることはできないか、と考えた。

ちっちゃい屋台から始めて、お客をつなぎとめ、業態を大手に売る?
……そんな時間も根性もない。そもそもそのちっちゃい屋台で利益を出せるほど売れるなにかを発想するのは、東大に入るより難しそうだ。
イタリアンに弟子入り?
……四十過ぎの物覚えの悪いおっさんが来たところで、アルバイトすら断られそうだ(実際断られた)。
友人に厨房を任せ、経理だけを行うという共同経営方式?
……これが一番現実的かも知れない。料理ができ、かつ今店舗をもっていないという友人がゼロ、ということを除けば。

こういう風に、自分にないもの、できないものを減点方式であげつらってそれを改善する、という方向で努力をしても、たぶん何も生み出せない。
発想を転換して、自分にもできる範囲で、なにか料理に関わることはできないだろうか、と考えた。

実際のところ。
今は飲食をとりまく状況は、過酷で悲惨の一途をたどっている。
ただ、だからこそ、ここを切り抜けた飲食屋さんは強いだろうし、この状況が終わったのち、空き室となった場所も本来ならば有望な立地であったはずだ。再起したい人がそういう物件を押さえる前に、私がそこに関わりたい、と考えている。

なにかないか。
結局、「経験」と「信用」なんだ。

私は大学卒業後、IT関係の派遣社員をやっていた。
まるっきり夢もあてもなく、惰性で飛びついた職業だった。
派遣をやる直前、眺めていたアルバイト雑誌は、ほとんどが「経験者」を求めていた。
未経験でもいい、という仕事は、体力勝負の肉体労働か完全なルーティンワークをこなす業務ばかり。
それが、ある派遣会社に登録し、業務指導を経て1ヶ月もしたころ、なぜか大手への派遣が決まってしまう。
そこで二年勤め、また別のところで一年、また別で二年。
計五年、名の通った大企業で(派遣だが)働き続けられた。

このことから学んだことが、2つある。
社会は、個人を信用していないということ。
そして、社会は、信用さえあればその中に入り込むことは比較的容易である、ということ。

これは、雇用者、雇う側の視線をもってみると分かる。
いきなり知らない人がやってきて「雇ってください」と言われても、どの程度のスキルがありどの程度のことをやってくれるのか分からない。面接をやっても、嘘を言ってる可能性がある。
しかし派遣企業を通してなら、使えなければ別のを連れてこい、と言えるし、損害が出ればある程度派遣企業がもってくれるだろう。企業間で信頼関係があれば、そこにどの程度のスキルの人間がいるのかも予想がつく。

これを、応用する。
まず、おカネを貯める。そして、そのおカネを投資で増やす。
そうすると、私という個人は、
「少なくとも投資でおカネを増やす才覚はある」という信用が得られる。
(そんなもの、本来のところは信用でもなんでもないのだが)
そして、その信用を使って、「ファンド形式で投資を募集している事業者」に、「投資家」として接近する。
ここに介在するのはおカネだけ。事業者としてはおカネさえだしてくれれば事業が興せるし、投資家はリターンさえ貰えればそれでいい。必要なのは双方、「信用できるかどうか」の目利きだけだ。
その事業者が成功するかどうかは運否天賦だが、もし成功したならその事業者のノウハウを間近で見ることができた自分は「経験者」になれる。

ここまで来れば、あとは先ほどの現実的な路線、「知り合いの料理経験者」さえそろえばいい。
刎頸の友、とまでいかなくともいい。投資家、という顔さえもっていれば、知り合い程度の関係でも、経営が苦しい飲食関係の人が、あるいは私を頼ってくれるかもしれない。
その時、もし私が法人化して会社を立ち上げていれば、なおのこと信用につながるだろう。

さて。
細いながら、道筋は見えた。
あとは、実現性だ。
投資は、プラスを続けられれば儲かる。
ファンド形式の事業者マッチングサイトは、最近増えつつあるサイトにいくつか覚えがある。そこで儲けを出せればよい。
料理経験者は、いずれ見つかる。
……全部、可能性1%、というところか?

つまり。
私は自分の夢を実現するには、百分の1の3乗、10万分の1の可能性をつかまないといけない、ということか。

……ふふ。

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