副業収入と税務

Sebastian WagnerによるPixabayからの画像 4.投資

現在はもちろん、起業しておらず個人事業主(所轄税務署に開業届を出す)ですらないので、非正規社員としてのはかない給与以外の収入は、副業による収入として個人で確定申告する必要がある。
税金の話は、おカネのやり取りをする以上、どこまでもついて回るので、個人のままやり続けるならまだしも、起業等考えているなら、そのへんもきれいにしておくに超したことはない。

まず、株式投資にまつわる収入について。
個人が株式投資をしている時、発生する収入(もしくは、損失)は2つ。
譲渡損益と、配当金。
いわゆるキャピタルゲインと、インカムゲインだ。
現状、これらの所得税率は15%。これに地方税の5%、復興特別所得税の0.315%を加え、合計で20.315%を支払う計算になる。
これは一般会計を利用して期末に自分で確定申告をする(他に副業を持っていたり、個人事業主だったりすると、損益通算をすることで確定申告をすると税金が安くなったりする)場合はともかく、通常は個人だと特別会計(源泉徴収あり)で取引することで証券会社が税金分を徴収した上で払ってくれる設定にしている方が多いはず。
なのであまり深く考える必要はないが、複数口座を利用している方においては注意が必要である。
複数口座で出た損益を、あえて確定申告をすることで損益通算(収益と損失を合算する。例えばA口座でマイナス100万、B口座でプラス200万の損失・利益があった場合、両方を特別口座で運用していると200万の利益に税金がかかり、40万強の税金を取られるが、損益通算をしてあえて確定申告をすることで差し引きプラス100万分の税金、20万強で済む)した場合、このプラス100万という収入は、その人個人の所得として上積み計算され、翌年の国民健康保険料が上がったり、あるいは扶養家族である場合は扶養が外れたりする。

次に、副業等による収入。
個人事業主や法人ならば、副業もまた事業として扱われるため、普通に損益通算できて相応の所得税なり法人税なりが算出されるが、個人の場合、副業の収入は(アルバイトとして別の場所で給与をもらう、等の場合を除き)全て雑所得として扱われる。
雑所得は、年間二十万を超えると申告義務が発生し、本来の給与等の所得と合算して、基礎控除分を引いた所得分に応じた所得税が課されることとなる。

だから個人の場合、この雑所得が大きくなりすぎると、所得税やさらには翌年の国民健康保険等も高くなってしまう可能性があるため、ある程度の収入が出てきだしたあたりで、個人事業主、あるいは法人化を考えた方がいい場合がある。
場合がある、という歯切れの悪い言い方をしたのは、累進課税という階段型を取っている日本の所得税方式においては、個人で所得税を払った方が安い場合と、法人化して法人税として支払った方が安い場合の見極めがとても難しいからだ。

投資の本や、最近流行のYoutubeなどでは、例えば投資額が1千万を超えたあたりから法人化した方がいいとか、いや収入が8百万を超えたあたりだ、とか、いろんな説があるけれども、投資や副業の収入は一定しているわけではないため、つまるところケースバイケースとしか言いようがないのだ。

ただ、一つ言えることは。
本当に収入が、それも本業以上に副業で収入が大きくなりはじめ、実際に法人化した方が間違いなくお得だ、と判明したときに、今まで申告していなかった個人での収入が、通帳の開示等で見つかり……という事態を避けるためにも、大人しく20万程度の少額であろうと、確定申告をした上で傷みの伴う税金を払っておいた方が、まずは安全であろう、ということである。

悲しい話だが。

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