創業コンセプトを検討する

Gerd AltmannによるPixabayからの画像 1.創業計画

前回のブログでは、創業コンセプトを練る際は、「二次的思考をせよ」というお話をしました。
それに付随して、面白い話をしたいと思います。
今回も、豆知識から入らせていただきます。

とある企業(有名な話なので、会社名を出してもよいでしょう。マクドナルドです)が、2006年のこと、ある商品を開発しました。
その名は、「サラダマック」。
マーケティングの名のもと、消費者アンケートを繰り返した結果。
出てきた顧客からの要望の多くは、

「もっとヘルシーなメニューが欲しい」
「ヘルシーなメニューがないから、マックにはいかない」

というものでした。

ならば、と、当時の社長が推し進めたのが、ヘルシーなメニューの開発。生まれたのが、サラダマック、というわけです。

で、ですね。
文脈から想像された通りとは思いますが、このサラダマック、大失敗しました。
まったく、ぜんぜん、売れませんでした。

「なぜか」を考えるヒントとして、その後2008年に発売されたクォーターパウンダーがあります。
これは大ヒットを記録し、2017年まで人気メニューとして君臨しました。
そして、マクドナルドはこのクォーターパウンダー(今までの規格外の大きさのハンバーガー)を、意図的に発売した、と告白しています。

マーケティングを行ったとき、そこで何が起こったのか。つまりはこういうことだと想像出来ます。
お客の多くが、アンケートを求められたとき、「求められていそうな、優等生的な答え」を書いてしまった、ということなのです。
そしてそれは、「優等生的な答え」そのものでしかなく、ニーズでもなんでもない、という結果として現れました。

このお話の教訓は、「今や直接消費者にニーズを聞いても、本当のニーズは返答されない」ということです。
消費者は、簡単に人に、企業に明かさない、「隠れたニーズ」を持ち、密かに期待しつつ、待っている、ということです。これを、「インサイト」と呼びます。

街のコンセプトから自店のコンセプトを掘り起こすとき同様、その街に潜在するニーズを掘り起こす時にも、「インサイト」に注目しないといけません。
つまり、ここでも「二次的思考をせよ」ということです。
軽々しく、「マーケティング結果」を信じるな、ということでもあります。

お客を信じず、自分を信じて、しかもそれは正しくなければならない。
お店のコンセプトを一つ練る、ということは、なかなかに骨が折れる仕事だ、ということです。

がんばってください。
ひらめくまで、道筋が見えるまで、ひたすら、考え抜いてください。

それでは本日も、ありがとうございました。

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