投資家から出資を受ける ~計画書で魅せる~

Gerd AltmannによるPixabayからの画像 1.創業計画

前回、投資家から出資を受けるにはどんなお店が理想なのか、を念頭において経営シミュレーションを行っていただきました。
今回は、実際に事業計画書を「投資家あてに」つくっていただこうと思っています。

融資を受ける場合の、政策金融公庫向け創業計画書の場合よりも、内容はさらにシンプルになるかと思われます。

1.まず、なんのお店であるか、というアピール

予定しておられる店名と、一押しのメニューを表記し、それを売ることがどれほど魅力的か、をアピールするスペースです。
メニュー写真と、価格を表記し、「売れる!」という自信のほどを示していただければと思います。

2.どこにお店を開くか、という情報

予定候補地についてアピールするスペースです。
駅から近い。
繁華街で人通りが多い。
たくさんのお店がしのぎを削っている(※ライバルが多いことは必ずしもアピールポイントにはなりませんが、それだけその商圏が活性化しているというアピールにはなります)
理由があって同圏内他店舗と比べて家賃が安い
等。

さらに、その商圏でどういう人にお店が「刺さる」のか。どういう人をターゲットにするか、をアピールします。
(学校が近いので学生需要を見込む。駅から近いためサラリーマンを引き込める、等)

3.お店の外装・内装

お店の実際の見え方をアピールします。

外から見て視認性はあるか。
ずっと居たくなるような落ち着いた内装か。
お店のコンセプトには合っているか。
(まだ外装が出来ていない場合は、改装前の居抜きスペースの様子を貼りつけてもよいでしょう)

お店のコンセプトについては、これまで語っておりませんでしたが、どんなお店にするか、というのは、起業家にとっては一番重要なことだと思います。
自分なりによく練っておき、必要ならばこの欄でアピールしましょう。
お店のコンセプトの考え方については、後々ブログにて書いてみようと思っております。

4.費用と収益

費用(いくら必要なのか)と、収益(いくら儲かる予定か)を、前回ブログのシミュレーションをもとに記述していきます。
ただし、たとえば、
固定費は「家賃」だけではなく、大家さんに払う「前渡保証金」も含めて出す。
改装(あるいは新規建築)のための費用。外装・内装費用も計上する。
アルバイト募集・お店の宣伝等の広告費を特別に計上する。
厨房機器・什器・食器等一切の費用を計上する。
等、開店直前にのみ発生する費用が多額となっているはずです。
もれなく記入しましょう。

収益については、やはり前回ブログのシミュレーションをもとに、十分な営業利益がのこるよう試算を繰り返しておき、魅力的に見える額を提示します。
そして、「好調ならいずれ2店舗目、3店舗目の出店も視野に入れております」等、販売に積極的、意欲的なところを見せてくださると、ヒキになるかと思います。

最後に、「投資家に出資をお願いする金額」を、分かるように示してください。

5.投資家還元内容

投資家が出資した場合の「リターン」「メリット」をお書きください。
相場については一概には言えません。お店にとって無理のない範囲でのリターン、というのが理想ではあります。
ですが、投資家にとって「魅力的に見えるリターン」ということであれば、こちらを参考にしていただけるとよいかと思います。

他に、投資家に還元できる「メリット」等があれば、それもアピールしてみてください。
投資家の心がさらに動くかも知れません。

6.その他

将来お店をどうするかの目標とか、長期的に新店舗をかまえる予定だとか、現在においての思いのたけをお書きください。

いかがでしたでしょうか。

融資を受ける場合と比べて、投資家に見せるそれは、いささかシンプルすぎて拍子抜けだったかも知れません。
投資家にもいろいろな方がおられます。大事にしているポイントもいろいろでしょうし、着目する数字も違うでしょう。ですが、本質的には投資家は、
「ある程度の長すぎない期間で、投資金額が回収でき、なおかつ成長する」
内容については、必ず注目するように出来ているものです。

そういう意味では、「事業が無理なく継続できる」⇒「潰れない」ということがまず、第一であろうと思います。この点ばかりは、投資家相手でも融資金融機関相手でも変わらないところです。

しかし。
はっきりと言えることは、
「ココロ踊るなにか」に、投資家はどうしようもなく惹かれます。
ということです。
「それ」があれば、多少無理なお願いでも、投資家は首を縦に振るかも知れません。

まとめ

さて。つごう三回にわたりまして、投資家相手の事業計画の見せ方について書いてまいりました。
流れとしましては、

1.話の分かる投資家を選ぶ
2.儲かる店をつくるための経営シミュレーションを行ってみる
3.事業計画書をつくってみる

という感じです。
細かく正確な数字を並べるよりは、相手の「人間」の部分に訴えるような、はっきり言えば
「将来、儲かるぞ!」
と一目で分かるような。そんな事業計画書だと、投資家は必ず引き込まれます。

それでは、本日もありがとうございました。

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