これは! という本に出会う日

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経営者・従業員・株主がみなで豊かになる 三位一体の経営 中神 康議

経営者・従業員・株主がみなで豊かになる 三位一体の経営 (中神 康議 著)です。

まだ読んでいる途中なのに、興奮が収まらないほどの内容。
かのウォーレン・バフェットが、投資する際の指標としている「モート(堀)」について、これほどはっきりと、的確に語られている本がかつてあったでしょうか。

そして、こちらの本はまた、「起業コンサルタント」という職種について、
「相手、顧客側の事業そのものについて、知っている必要はない。むしろ『知ってはいけない』」
と喝破しておられます。自身が単身アメリカで長らく戦略コンサルタントとして活躍しておられた方が、コンサルタントという内容の「キモ」についても語っておられるわけです。
この発想はまさに、目からウロコでした。

著者は、企業が「利益を出す」型を四つに分け、その中の「利益率」に着目します。
そして、率の視点から日本企業をぶった切って、すさまじいダメ出しをされたのち、企業が作る「モート」……日本語で言うと、障壁……について核心を突きます。

企業が作れる「モート」には、実はたった三種類しかない、というのです。

優れた商品を作る?
他の商品との差別化をはかる?
ブランド力を持つ?

いえいえ。
これらは、「あればあったでいいけれど、そんなものはモートではない」とおっしゃってます。

これには衝撃でしたね。もう、ぼっこぼこに論破、です。

「優れた商品を作る? ⇒マネされたら終わり。障壁にはならん」
「差別化をはかる? ⇒費用対効果で考えたらマイナス」
「ブランド力を持つ? ⇒そりゃあるんならいいけど、たいてい失敗するよ。費用対効果で言ってもマイナスでしょ」

こんな感じです。それで読者が焦れて、「じゃぁ何なら障壁なんだよ!」と怒りだしたところで、本当の障壁について語られるのです。

・コストによる障壁
・顧客囲い込みによる障壁
・規模の経済と顧客囲い込みの相互作用による障壁

それぞれ具体的な内容については、ぜひ本書を。

そしてこの後に続く、実際の「モートを作った日本企業」についてのお話は……もう、圧巻です。

怖い。怖すぎる。

この方は、この本を通して経営者に
「儲かりたいなら狂う寸前まで行け」
と言っているも同然です。

このスリリングな体験を、他の起業希望者にも味わってみてほしいものです。

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