埼玉が生んだ癖になる味

業態研究 2.業態研究

おはようございます。

おいしくて、安くて、気さくで、癖になる。
何拍子かそろったおいしいお店が、長く人気店として界隈に君臨する。
外観はあまり関係なく、ピークを過ぎても引きも切らずお客で賑わっている。
そんなお店が近隣にあると、嬉しいものです。

今回ご紹介するのは、中華料理屋さんです。
埼玉県上尾市に数店を構える、「娘娘(にゃんにゃん)」。
こちらの「スタカレー」は、白眉であります。

味を表現するなら……そうですね。
麻婆豆腐から豆腐を抜き、代わりに豚挽肉を大量に入れたもの。
なので、味については推して知るべし。想像した、わりとその通りの味です。
野菜は、にらが多く入っているのが特徴です。
カレー、と謳っておられますが、カレースパイスは使われていない。
ですが、これが、食べ続けるとなかなかに「癖になる味」なのです。

娘娘は、確かにスタカレーが有名ではありますが、中華料理屋として一通りの料理は揃っています。
ラーメン。餃子。チャーハン。
塩焼きそばや中華風味噌味ジャジャ麺のような、少し変わり種が人気だそうで。

都会、とくに東京周辺で創業しておられる個人店は、仕入ロスや価格競争を考える過程で、やはり
できるだけメニューを絞り、専門店として特化した形で生き残りを賭けておられるところが多いです。
戦略としてはそれは間違いとはいえず、むしろそうしないと、飲食をとりまく厳しい現状を乗り越えることは出来ないでしょう。

ですが、「ある程度サイドメニューがある」料理店は、やはり顧客の満足度に差が出てきます。
酒を飲みたい人には、それ向けの軽いツマミがあり。
ご飯をかきこみたい人には、がっつりとしたメインのメニューがあり。
短時間でさっと済ませたい人には、すぐ出来る一品があり。
あれもこれも食べたい、という人にそぐうようなセットメニューがあり。

「虻蜂捕らず」という言葉は、手当たり次第いろんなメニューに手を広げたくなる飲食店のオーナーには耳に障る言葉かも知れませんが、ある程度虻蜂を捕って、多様な客層を取り込む。そのような戦略を採るお店があってもいいのかも知れません。なにより、その方がお客さまも喜べます。

こちらのスタカレーは、具材に豚挽肉、にら、にんにく、しょうが、等。
材料も比較的安価にそろい、生産にばらつきがなく、一年を通して手に入れやすいもので構成されています。
なかなかに、優れたメニュー、というべきでありましょう。

それでは、本日もありがとうございました。

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